納得の構造の拘り②
2015.11.04
前回、納得の創る家は、木造で工法は在来軸組工法と言うところまで、説明させていただきました。
では、今回は一般的な在来軸組工法と、納得の構造の何処か違うのか、説明させていただきます。
一般的な在来軸組工法のの場合は、前回でもお話させて頂きましたが、土台・柱・梁・筋交い等の部材で骨組みを創り、それらに力を伝え支えるものです。
写真の状況は、土台・柱・梁・筋交いで耐力壁が形成されている状態です。ここまでの構造材の組み合わせが、一般的な在来軸組工法
の筋交い耐力壁です。
そして、各構造材は、全てそれぞれの部材の端部だけで接合されています。つまり、それぞれの部材同士の力の伝達や支えは、全て、点の部分だけで支え合っている事になり、この接合部に、大きな力が集中していることになります。
仮に、大きな地震が起きて揺れが発生したら、繰り返し遣ってくる力を、筋交いの接合部分で支える続けることになります。また、筋交いは片入れという、1本だけの時は、押される力に強いのですが、引っ張られる力には、限界があります。そのため、写真のように、タスキ掛けにして、両方の力に対応できるようにしたり、2本で1対として組み合わせる事が必要となります。
筋交いとの接合部は、補強金物で全個所補強はしていますが、家を守る部材の一番重要な部分が、点や線だけで支えるというのは、想像すると心配になりますね。
では、納得の耐力壁はというと、上記のような筋交い耐力壁に更に、柱や筋交いの外面に、構造用合板を張ります。つまり、筋交いと構造用合板の2重で構成された耐力壁となっています。
写真の状況が、納得仕様の耐力壁です。土台・柱・梁・筋交いと、構造材を組み、そして更に外側から、構造用合板を張っています。
構造用合板は、(タテ3030mm ・ 横910mm ・ 厚さ9mm)です。アカマツ・カラマツ等の針葉樹を素材としております。この合板を、土台・柱・梁にそれぞれ、継ぎ目なしの1枚で外面に張ります。
外面に合板張りした場合の特徴は、
・構造体の外面にN50という釘で、150mm間隔で打ちつけているため、壁の剛性が強くなる
・多数の釘が抵抗するため、大きな力が掛っても、粘り強い
・あらゆる方向の力に均等に対応するので、力の分散が出来る
・また、腰壁や垂れ壁等にも合板を張ると強度を増すことが出来る
また、「筋交いだけの耐力壁」と、「筋交い+構造用合板(9mm)の耐力壁」とでは、壁倍率も大きな差があります。
「長さ910mm、筋交いは片入れ」 の壁の耐力壁場合として比較すると
・筋交いだけの耐力壁 → 壁倍率 2.0
・筋交い+構造用合板の耐力壁 → 壁倍率 4.5
「長さ910mm、筋交いはタスキ掛け」の壁の耐力壁の場合での比較すると
・筋交いだけの耐力壁 → 壁倍率 4.0
・筋交い+構造用合板の耐力壁 → 壁倍率 5.0
上記、それぞれの数値の比較を見ても、一目瞭然で、納得仕様である「筋交い+構造用合板」壁のほうが、断然強いということが
解ります。
納得の壁構造は、従来の在来軸組工法の強度、技術、特性をそのまま生かし、それに新たな強度、技術をプラスした構造を創り、
点や線だけで支える構造体でなく、壁の面全体としての強度を確保して、 面全体+点、線の2重強度を持つ壁構造を実現しています。
そして、この特別な構造は壁だけかと思われるかもしれませんが、当然壁だけが特別な構造ではありません。床の構造にも、納得だから実現している構造があります。
床の構造については、明日また、御説明させていただきます。