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スタッフブログ

2023.04.08

高断熱住宅の現実

代表取締役社長

久保 淳

住宅ビルダー業界に於ける信用あるシンクタンクのデータを見て、ある気付きがありました。

住宅を取得される方は、20代~40代の方が多いですが「エネルギー問題や気候変動に高性能住宅が貢献する」と知っている方は圧倒的に少ない。

そこに興味を持つ方は60代以上が圧倒的に多い。

「高性能住宅でコストが高くなることは100万円までが許せる。」との回答。実際は100万円では全然無理なのですが。

これが現実かと知り、肩を落とす反面 自分が30代の時に建築に興味が無かったら確かに住宅の性能に依るエネルギーの効率化には興味無いですよね。

頭でっかちになり、未来の事を考えるのは50代位からの気がします。

知識があるが故に、若者に「こうでなきゃいかん!」と口癖のように言う。50代位から教育などが一通り終わり経済的に余裕が生まれ理想を追い求める。

住宅の性能を上げて行かなければいけない。

これは間違いないです。

日本の住宅は寒すぎる。

ただ威圧的に命令しても若者は興味を持ってくれません。

住宅を求める世代が望んでいる事は、デザインであったりコストであったり。

私もドイツの環境住宅を何度も視察に伺いましたが、ドイツ特有の問題があったり、アカデミーがあったりと確かに日本人にはストレートに入らない。

住宅性能に関する用語や数値も、この業界にいるなら真っ先に理解すべきでしょうが、分かりにくかったり結局何がしたいの?

そこにお金は払う価値はあるの?と返されます。

この問題の大きい所は住宅業界の先輩達が、もっとお客様に伝わりやすい言葉を使わなければいけないのかな?と大いに反省点であります。

喜びの施工者や設計者の声はありますが、お客様の実体験は分かりづらい。私共の住宅のお客様は快適に暮らしてますと言う声は毎回頂けますが、確かに確かに大きな課題ではありますがUA値に拘ってよかったとは言われない。

施工者はそこを求めて追及する。

住宅の性能問題は何十年も議論を重ね先輩たちの努力のお陰で向上をしております。

静岡に於いて30年くらい前はアルミ枠+シングルガラス。

断熱材はグラスウール55mmが普通でした。

屋根断熱がグラスウール100mmでした。

建材だけで言っても今は断熱樹脂複合ガラス。

セルローズファイバー105mm。天井面は155mm。

開口部も30年前の住宅と比べると小さくなりました。

結露対策の為、通気層も大きく取っています。

これから工務店の取り組んでいる課題は、壁厚300mm、樹脂トリプルガラスなどを計画的に設計した住宅です。

隣地境界に余裕があり施工費300万円くらいを天井断熱をセルロースファイバーで500mm。ここに若い世代が興味を持って頂けるのか?

どうしても2次取得者向けになってしまう。

建材の厚みだけが住宅のスペックではありません。

でもお客様には非常に分かりづらいし、土地の広さなどのクリアしなければいけない課題が多い。

この分野が話題になり、もう15年以上業界では取り組んでおりますが、まだまだ浸透しない。

お客様の求めているスペックと性能を追求するベテラン業界人、両方とも分かりますのでもどかしさを覚えます。

ただサッシなどメーカーさんの努力のお陰で大分求めやすい価格になってます。

昨今の光熱費の値上げで、お客様にも費用として体感してしまう機会が多くなりました。

お客様の理想の形に我々は丁寧に議論を重ねて行きます。