スタッフブログ
2026.10.30
家の豊かさは、広さだけでは決まらない。
こんにちは!
nattoku住宅の良知春海です。
今回は、建築家・安藤忠雄さんの対談から、家づくりについて感じたことを少し。
安藤さんの建築というと、コンクリート打ち放しの、力強く美しい建物を思い浮かべる方も多いと思います。
でも、お話の中で僕が惹かれたのは、建物の見た目以上に、その場所で人が何を感じ、どう過ごすのかを考える姿勢でした。
例えば、代表作のひとつである「住吉の長屋」。
限られた敷地の中に中庭を設け、暮らしの中で空や光、風を感じられるようにした住まいです。
雨の日には、部屋を移動するために屋外の中庭を通る必要がある。住む人にも、独特の暮らし方が求められます。
このつくり方をそのまま取り入れるかどうかは、ご家族の生活次第です。でも、そこから考えたいことがあります。
家の豊かさは、床面積だけでは測れないということ。
朝、カーテンを開けたときに見える緑。
壁に落ちる、やわらかな光。
夜、照明を落としたときの落ち着いた空気。
そんな日々の小さな場面が、その家を好きになる理由になっていくのだと思います。
もちろん、毎日暮らす家には、快適さも使いやすさも欠かせません。
家事がしやすいこと。
夏も冬も心地よく過ごせること。
必要な場所に、必要な収納があること。
そのうえで、「ここにいる時間が好きだな」と感じられる場所をつくりたい。
僕は、お客様と間取りを考えるときに、そこまで一緒に想像できる担当でありたいと思っています。
もうひとつ、心に残ったのが、職人さんや技術者への信頼です。
どれほど素敵なアイデアがあっても、それを実際の建物にする人がいなければ完成しません。
図面の意図をくみ取る大工さん。
素材の表情をつくる左官職人さん。
細かな納まりを確認する現場監督。
完成した空間の美しさには、そうした一人ひとりの仕事が表れます。
漆喰の壁に光が当たったときの、わずかな陰影。無垢の床を素足で歩いたときの感触。
写真では伝えきれない心地よさにも、つくり手の技術が詰まっています。僕自身、その価値をもっとわかりやすくお伝えしていきたいと感じました。
安藤さんが関わってきた直島の話からは、その場所にある魅力を見つめ直す大切さも伝わってきます。
これは、家づくりにも通じることだと思います。
敷地の形や周囲の景色、光の入り方。
そして、ご家族が普段から大切にしている時間。
丁寧に見て、話を聞くことで、そのご家族ならではの住まいのヒントが見えてくるはずです。
休日の朝に、ゆっくりコーヒーを飲める場所。
料理をしながら、家族と会話できるキッチン。
一日の終わりに、ほっと力を抜けるリビング。
そんな暮らしの場面まで考えて、ご提案していきたい。
図面を見たときのわくわくが、住み始めてからの「この家にしてよかった」につながるように。
改めて、家づくりの仕事を大切にしていこうと思えるお話でした。
nattoku住宅
良知 春海